臨床研究について Clinical Research
高血圧・循環調節
高血圧・循環調節グループでは、自律神経系を介した循環調節の基礎研究のトランスレーショナルリサーチとして、neuromodulationの一つである腎デナベーション治療の治験や、新規の交感神経活動指標の開発に取り組んでいます。さらに、RCTや健診のデータベースを用いた臨床研究も行っています。(研究室主任:篠原啓介)
コントロール不良の高血圧に対する腎デナベーション治験
高血圧は様々な循環器疾患の原因となるにもかかわらず、薬物降圧治療中の患者における目標血圧の達成率は十分ではありません。近年、経カテーテル的に腎交感神経を焼灼する「腎デナベーション」治療が新規の降圧治療として注目されています。現在、日本では、コントロール不良の高血圧患者を対象に腎デナベーションの治験中であり、欧米に次いでデバイスの早期承認が期待されます。九州大学病院では、腎デナベーション治験を積極的に推進しています。
詳細は担当の篠原啓介()までお問い合わせください。
腎動脈周囲の交感神経を焼灼
治験対象の患者様
| 血圧 | 収縮期140mmHg以上180mmHg未満、かつ 拡張期90mmHg以上110mmHg未満 |
|---|---|
| 降圧薬 | ARB+CCBの降圧剤2剤のみを服用 |
| 年齢 | 20歳以上、75歳以下 |
主な除外基準
- 二次性高血圧の患者(ただし、睡眠時無呼吸症候群は組入れ可)
- 1型糖尿病又はコントロール不良の2型糖尿病(HbA1c 8.4%以上)の患者
- eGFRが40mL/min/1.73m2未満の患者
- 持続性心房細動を合併している患者
- 降圧作用を有する薬剤(β遮断薬、ARNi、MRAなど)が中止できない場合
- ペースメーカー、ICD、CRT-D植え込み後の患者
- 原発性肺高血圧の患者
- 6ヵ月以内に重度の心血管系イベント、又は重度の脳血管系イベントの既往がある患者
- 慢性活動性炎症の腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎等)の既往又は合併がある患者
- 深夜勤務者(22時を超える勤務が平均週2日以上)
- 造影剤に対して禁忌症又は許容できないアナフィラキシー反応、コントロール不能なアレルギーが確認された患者
交感神経活動の新規指標の確立:
SKNAの有用性の検証
交感神経活性化は高血圧や多くの循環器疾患の病態に重要に関与します。しかしながら、交感神経活動の指標として、簡便性、安定性、特異性などを全て満たすものはいまだありません。近年、非侵襲的に測定・評価した皮膚の交感神経活動(SKNA)を、心臓交感神経活動を反映した指標として活用する方法が報告されました。被検者への接触は、心電図モニターと同様に3か所の心電図パッチを皮膚に張り付けるのみです。当研究室では、前臨床ならびに臨床において実際の病態におけるSKNAの有用性を検証しています。
SKNAの有用性の検証
データベースを用いた臨床研究:
脳心血管病の予測・関連因子の探索
当研究室では、2型糖尿病患者を対象としたスタチン強化治療のRCT(EMPATHY試験)や一般住民の健診データなどのデータベースを用いて、脳心血管病の予測・関連因子の探索研究を行っています。
(以下、Yoshida, et al.Triglyceride-Glucose Index Associated with Future Renal Function Decline in the General Population. J Gen Intern Med. 2024. doi: 10.1007/s11606-024-08809-4.より転記。 )