臨床研究について Clinical Research
心不全
多施設心不全レジストリー研究
Quality of Heart Failure Care and Outcomes(QHEART)Registry
九州大学循環器内科とその関連病院群を中心とした多施設共同の心不全レジストリーであるQuality of Heart Failure Care and Outcomes (QHEART) Registryを構築しています(後向き解析、及び前向き登録研究)。当院は心臓移植実施施設(成人・小児)、補助人工心臓実施施設、DT実施施設であり西日本有数の重症心不全センターであることから、急性心不全・増悪型心不全の主レジストリーに加えて、重症心不全のレジストリー、機械的補助循環レジストリーの構築も進めています。このネットワークを利用して多施設共同研究を推進していく予定です。
心不全・心筋症・炎症性心筋疾患のバイオバンクと網羅的解析研究
(QHF-OMICS)
当教室においてはKyudai-HF registryという心筋疾患のバイオバンクがすでに確立しており、当院の検査部(臨床検査医学分野)や病理部(形態機能病理学分野)、および米国のBroad Institute of Massachusetts Institute of Technology and Harvardとの共同研究として、病態解明、予後予測、バイオマーカー探索のためのプロテオーム解析、空間トランスクリプトーム解析、シングルセル解析研究を進めています。また共同研究機関とともにゲノム解析も行うことで網羅的解析が可能です。個別テーマとしては、特発性心筋症、アミロイドーシス、サルコイドーシス、心筋炎などの解析を進めています。
心不全と骨格筋・運動耐容能・心臓リハビリテーションに関する研究
心不全における骨格筋機能の基礎研究の成果も踏まえて、心肺運動負荷試験(CPET)や心臓リハビリテーションについての臨床研究を重点的に行なっています。心臓移植後患者の運動耐容能規定因子に関する研究、心臓移植後患者に対する運動負荷MRIを用いた研究、ICU-acquired weakness(ICU-AW)に対する介入研究・バイオマーカー探索研究、遠隔指導による心不全に対する在宅リハビリテーション研究、LVAD植込み患者の在宅リハビリテーション研究、CPET指標のAI予測に関する研究、ATTR心アミロイドーシス患者における運動耐容能規定因子に関する研究など研究テーマは多岐に渡り、学会発表や論文発表を積極的に行なっています。
JROADHF,JROADHF-NEXT研究
全国規模の心不全レジストリ研究を九州大学を中心に進めてきました。JROADHFは2013年に全国約120施設で登録された約1万4000例の心不全レジストリであり、悉皆性の高さとDPCデータを含めた詳細な臨床情報を有している点が特徴です。JROADHF-NEXT研究は約4000例の心不全データベースであり、登録1年後、2年後の臨床情報およびバイオバンクによる解析が行える点が特徴です。これらの研究により日本における心不全診療の実態解明に貢献したいと考えています。
心不全・心筋疾患に対する運動負荷MRI解析研究
当院は日本で唯一の運動負荷MRIが施行可能な施設です。循環器内科画像診断グループや放射線科と協力しながら、心臓移植後、肥大型心筋症、心アミロイドーシス症例の運動負荷MRI解析を行っています。心肺運動負荷試験(CPET)のデータとも合わせて解析することで、治療による改善や心機能の予備能などの詳細な評価が可能であり、病態解明や予後予測に役立つことが期待されます。