診療 Treatment
腫瘍循環器
当科における腫瘍循環器診療
近年、社会の高齢化に伴い、がんを罹患する患者は増加し続けていますが、治療の進歩により、長期生存やがんの根治が現実のものとなりつつあります。このような背景の中で、がんおよびがん治療に伴う心血管疾患の合併症も増加しています。これらの心血管疾患の合併症により最適ながん治療の継続が困難となるだけでなく、がん治療後も長期にわたり生活の質(QOL)を低下させることが報告されています。そのため、「腫瘍循環器」としてこれらのマネジメントの重要性がますます認識されています。
当科では、抗がん剤であるアントラサイクリンや抗HER2薬による心毒性などの古典的ながん治療関連心機能障害(CTRCD)に加え、がんやがん治療に伴う不整脈、静脈血栓症、肺塞栓症といった幅広い心血管疾患に適切な加療を行うことで、がん患者の不安を軽減し、最適ながん治療が受けられるよう包括的にサポートしてまいります。特に、2014年に日本でも承認された抗PD-1抗体などの免疫チェックポイント阻害剤は革新的ながん治療である一方、非常に稀ではありますが、心筋炎などの重篤な心臓合併症を引き起こし、心停止に至るリスクもあることが報告されています。このような合併症が発症した際には、当科の重症心不全チームと連携し、救命および社会復帰を目指して診療にあたります。
なお、当科では研究機関としての使命に基づき、これら「腫瘍循環器」の最適なマネジメントの確立に向けた臨床研究も実施しています。最新の治療を提供するとともに、次世代に向けた根本的な課題解決を目指しています。臨床研究に際しましては、ご協力をお願いする場合もございますが、ご理解とご支援を賜れますと幸いです。
がん、そしてがん治療中に、息切れ、動悸、胸痛などの症状や合併症でお困りの際は、どうぞ当科へご相談ください。