循環器内科について

教授就任のごあいさつ

循環器内科教授 筒井裕之

平成28年7月7日

平成28年7月より九州大学循環器内科を担当することとなりました筒井裕之と申します。九州大学循環器内科は大変伝統のある教室であり、今までわが国における循環器研究・診療のリーダーとしての役割を担って参りました。そのような教室を担当させていただくにあたり、大変光栄に存じますとともに、その責任の重さに身の引き締まる思いです。

私は昭和57年に九州大学を卒業後、初代教授の中村元臣先生が主宰される循環器内科に入局し、友池仁暢先生(国立循環器病センター元院長)さらに第2代教授竹下彰先生に循環器病学の基礎と臨床について幅広く御指導いただきました。米国のGeorge Cooper教授のもとに留学中に、心不全に関する基礎研究を始め、現在まで心不全の病態基盤の解明と効果的・効率的な治療の開発を目的とした研究に一貫して従事してきました。平成16年より北海道大学循環病態内科学を担当させていただくこととなり、心筋ばかりでなく骨格筋も対象臓器に加え、基礎・臨床の両面から、それらの臓器不全に共通した基盤病態の解明を進めるとともに、心不全ばかりでなく、虚血性心疾患や不整脈、さらに心エコーや核医学を含む画像診断まで幅広く研究を展開してきました。最近では、慢性炎症制御に基づく新たな心血管病治療の開発を目的とした開発研究や循環器疾患患者の行動変容を促す新たなセルフケアプラットフォームを構築するイノベーションも推進しています。また、心不全患者を対象としたグローバル治験や医師主導自主臨床試験にも取り組んできました。

平成28年7月より再び九州大学循環器内科で診療・研究・教育に従事させていただくこととなりました。担当させていただくにあたり、3つの目標を掲げました。それは、第一に「いい臨床医」を育てること、第二に心血管病の病態解明と新たな治療法を開発する基礎・臨床・開発研究を推進していくこと、第三に地域の医療機関と密接に連携しながら九州における循環器診療ネットワークをさらに強固なものにしていくことです。診療・研究・教育は我々の重要な責務ですが、私は特に「いい臨床医」の育成を重視していきます。「いい臨床医」とは、基本的臨床能力が身についているのはもちろんのことですが、「患者・家族の立場に立って診断・治療を選択・実施し、他のスタッフとも円滑に業務をすすめていくことのできる人間性に優れた医師」ととらえています。「いい臨床医」の育成には、その教科書となる「いい臨床」が日常的に行われている必要があり、「いい臨床」をさらにレベルアップするには、おのずと「いい研究」が必要であり、そのようななかで医師ばかりでなく研究者や他の医療専門職も育成されます。12年ぶりに戻って参りましたが、医局員が地域の先生方と緊密な連携体制をつくり虚血・不整脈・心不全・弁膜症・肺高血圧・成人先天性心疾患といった循環器主要疾患をもれなくカバーして高度かつ先進的な医療に取り組んでいるのを目の当りにし、大変心強く思っております。九大循環器内科は、地域の医療機関との連携をさらに一層密にし、「最後の砦」として地域社会に貢献して参ります。同時に、大学院大学として臨床医の立場から先駆的・独創的な視点で基礎・臨床・疫学・開発研究に取り組み、そのなかで卓越した若手研究者Physician Scientistの育成にも努めて参ります。

私自身は甚だ微力でございますが、motivationの高い医局員を結集し教室一丸となって質の高い循環器診療、さらに研究と教育の充実にむけ専心努力いたします。今後ともより一層のご指導とご鞭撻を賜りますよう何卒よろしく御願い申し上げます。